―――…のも、つかの間。 パシッ…! 「さわんなっ」 真っ赤な目でキッと壱夜を睨みつけ、手を振り払うと立ち上がる綾子。 「弘樹はあたしの物。あんな女にやんない」 強く言い残し教室のドアへと歩き出す彼女に、あの壱夜でさえ言葉が出ない。 最後にバンッともの凄い音でドアが閉まり、それが合図のように周りの時間が動き出す。 固まっていた空気がほぐれると、機械のように野次馬達は喋り出した。