「お前、ほんまにやめろ!」


広い広い青空が広がり、雲が自由に形を変えて流れていく。


その広い空の下、叫んだ日向の声が屋上に木霊した。


『そないに怒らんでもええやんかぁ…』


「怒らんから、いきなり現れるのだけは止めてくれ」


口を尖らせて膨れっ面なあたしに、溜息混じりで顔を覗く日向。


その表情は半分呆れていて、


「俺の授業の邪魔すんなや」


『何がよ、寝てたくせに?』


口元を軽く上げたあたしが鼻をツンと突くと、日向は言葉を詰まらせた。