気疲れからか、自然と一つ溜息が洩れた。


あたしは体の力を少し抜くと、そのままドアを擦り抜ける。


『幽霊って凄いな』


…なんて、少し感心すると景色は変わっていて、そこには長い廊下が広がっていた。


眩しい太陽の光りが照らす中、その先にポツリと浮かぶ影。


『ひーなーたー待って!』


「陽菜?」


その影はもちろん日向で、振り返った日向にあたしは走り出した。