それを見て不意に、死ぬ前の陽菜と自分を思い出した。
…あの事さえなければ、今も陽菜は幽霊としてなんかじゃなく、俺の隣で笑っていたかも知れないのに。
日向は止まっていた歩をまたゆっくりと進めながら、そんな事を感じていた。
「ま、考えてもしゃーないか」
一抹の不安と空腹に葛藤しながら、自分を納得させるようにそう呟いて、長い渡り廊下をだるそうに歩いていく。
「…んま、あの後に死ぬとかマジで焦ったわぁ」
「俺も。呪われるんちゃうかって思ったし」
すると微かに届いた複数の声と下品な笑い声に、日向は思わず足を止めた。

