「ごめんっ…怖い。日向やのに…日向やって、分かってるのにっ―――ごめんなっ!」 突然身体を押された日向が茫然と立ち尽くす中、あたしは涙を流しながら走り出す。 涙のせいで前がよく見えなくて、雨の音で周りの音が掻き消される。 ―――トラックが視界に飛び込んできたのは突然の事だった。 客観的に見えていた光景がいつしか主観的に映っていて、またいつものようにあの光景が繰り返される。 ブレーキ音が響き渡り、日向の叫ぶ声が耳に届いた。 「陽菜…あぶないっ!!」 「え―――…?」