『疾風、早く大悟に会いに…』 軽く後ろに振り返り、それを口にするのとほぼ同時に離れていく手の感覚。 『疾風?』 離された手を見て今度は疾風を見つめると、そこには悲みに満ちた顔があった。 『何してんの、早く…』 『無理や』 『え?』 『俺、会われへん』 『何で…』 あたしが困惑しながら近づいていくと、彼は自嘲的な笑みを浮かべ、 『そんな勇気、俺にはない』 情けないといった表情で眉を下げ、チラッとあたしを一瞥した。