日向は目を丸くさせたまま、間抜けな顔で呆けていて“何ゆっとんや?”と言いたいのが目に見えた。 「大悟のツレに疾風ってのがいたと思うんだけど、俺等そいつとも仲良かったんだよ」 周りが驚愕しているのにも拘らず、顔色一つ変えずに嘘を吐く壱夜は本当に大物だ。 まったく、聞く手を巻き込むのが上手い。 仁美ちゃんは壱夜の巧みな嘘に引き込まれるように、その耳を傾けて… 「…っ…あの!」 切羽詰まったような声色に、彼女に余裕が無い事を知った。