鬱陶しい夏の空気が身を纏う。 あれは、何かあったような表情だった。 彼女の事は何も分からない…けど、あの必死な顔を見れば、何かあったんだと聞かなくても分かる。 あたしも後を追いかかるべく、飛び立とうと眩しい太陽を見上げると、 『陽菜!』 瞬間、疾風の焦った声が耳に届いた。 『……』 『何で…』 『……』 『俺、』 『疾風。ええから、あんたもきぃ』 ピシャリと言うと、疾風は戸惑ったように眉尻を下げる。 返事を聞く間も与えず、あたしは日向を追いかけた。