その様子に安心しながら疾風に目をやると、彼の瞳は少しだけ悲しみに染まっていて… あたしはその瞳で、胸に引っかかっていた事を不意に思いだした。 ――――『仁美…ちゃん』 日向の補修があった日、疾風が小さすぎる声で呟いたあの名前。 屋上に続く階段で、疾風はあの女の子を見た瞬間から様子がおかしくなった。