バカみたいに笑い続ける壱夜を尻目に『そんな寝ぐせ悪くないわ』と日向を睨みかえす。 そしたら“こいつアホちゃうか”って顔した日向が「陽菜の足蹴り食らったのこれで126回目」と、姑のように反撃した。 どうやら日向の脳には、そんなどうでも良い事ばかりが記憶されてあるらしい。 彼の顔を見つめ溜息を吐いたあたしに、今度は小姑のように説教垂れたあと、 「そうや陽菜、疾風知らんか?」 『え?』 思い出したように言った日向に、あたしは室内を見渡した。