『何やねん、日向がそのまんまって…』
「俺は“東”まで言うとらん。しかも今は宮崎の立派な知事や」
『へぇ…』
特に興味も沸かない日向の豆知識に、軽く返事を返す。
自然とあくびが出てしまい、もうそろそろ寝てしまおうかと目を瞑った時だった。
「俺には陽菜がおるやろ?」
『へ?』
もう一度同じ台詞を呟いた日向に“とうとうボケてしまったか”と本気で心配になって―――…
「俺にはいつでもお前がおったから、今まで孤独に感じた事なんて無い」
続けられた言葉にやっと意味を理解したあたしは、何でか泣きそうになった。

