『イチ…ほんまは辛いんちゃうの?』
「……」
『もし、世界中の奴全員がイチの事変やってゆっても、あたしはイチの事すごいと思うよ』
「……」
『…だって、もしイチの大切な人がこの世を去ってしまっても、イチならまたその人と会うことが出来るやん。そんな素敵な事、あると思う?』
こんな事しか言えないけれど、壱夜の能力があったからあたしは彼とこうして話せてるんだって、ちゃんと伝えたかった。
彼の瞳は今日も吸い込まれそうな鈍色で、少し驚いたように見開かれた後、あの壱夜独特の柔和な笑顔と共にその目が優しく歪む。

