「…さっきから何で一人で喋ってんの?――お兄ちゃん、変やな」 首を傾げながら、眉を寄せながら、不思議に満ちた表情で男の子が言う。 “お兄ちゃん、変やな” 耳にしっかりと届いた言葉に、ショックで思考が働かない。 ただ視界に映るのは、それだけ言って走り去って行く男の子の後姿だけ。 「陽菜?」 『……っ…!』 壱夜の呼びかけにやっと止まっていた思考が戻って頭を振ると、彼は至って普通で、それが反対に悲しく感じた。