病院内に入ると消毒液やシップの匂いが鼻を付いて、保健室と錯覚しそうになる。
迷うことなく院内を進んでいく疾風の後に続いて行くと、すぐにその場所へと着いた。
“近藤大悟”と書かれたプレートはまだ新しく、緊張で胸が少し苦しい。
横目で疾風に視線を向けると彼の表情は真剣で、あまり見る事のないその顔にポケっとしていると、スッとドアをすり抜けて行ってしまった。
一人廊下に残され、さて、どうしたものかと考えるけど、このままでいる訳にもいかない。
けど、何だか入っていくのも怖い気がしてその場で固まっていると、疾風が『早く来いよ』と顔だけをドアから出してあたしを呼んだ。

