『疾…風?』 この間の時みたいに、ちょっと震えてる腕。 いつもの力強さが、今日はあまり感じられない。 ―――抱き締められてる。 その事を理解するまでに、5秒も時間がかかってしまった。 『そうじゃないねん…』 弱々しく耳元で囁いた疾風の声はやっぱり少し震えてて、何もできない自分に、あたしはただもどかしくなるばかり。 こんな時、どうしたらいいのか分からない。 だからかける言葉も、これといって良いものが見つからない。