人間って、本当に儚い生き物なんだとあたしは思う。


バカみたいに日向の胸で泣きじゃくった次の日。


疾風からその心の内を聞かされたあたしは、特にそう思った。


例えば、一生を精一杯生きたとして、あたし達人間が最期に思う事って一体何なんだろう。


本当に幸せな人生だったと、もう何の悔いもないと心の底から思える人は、そのうちの何割くらいなんだろう。


―――きっと、一割もいない気がする。