ハッとして、思わず目を逸らしてしまったけど分かる。 ――――震えだす手、青ざめる顔。 疾風の表情が悲痛に歪んでいくのを…。 『――――…』 『え…?』 突然聞こえた彼の小さすぎる呟きに、俯いていた顔を上げる。 …だけどそこにはもう疾風の姿はなくて―――。 よく分からない胸のざわめきに辺りを見回すと、今下りて来た階段を飛び上がる疾風の背中を見つけた。