その直後、壱夜の冷えた手が額に降りてきて、心地よくて目を閉じる。


『んー…でも、ここがいい』


駄々っ子の様に彼の体へと腕を回したあたしに、壱夜はプッと吹き出した。


「こんな固い場所で、いい夢見れねぇよ?」


額から手が移動して、今度は頬がひんやり冷える。


気持ち良くてうとうとしていたあたしだけど、壱夜が口にした“夢”の単語にバチッと瞼を開くと飛び起きて―――…