「日向、帰らんくて大丈夫なん?」 それから暫くして、思い出したかのように口を開いたお母さんは、涙を拭き取りながら日向へと視線を上げた。 窓から差し込む光は眩しくて、それが朝だと知らせてる。 一晩中爆睡していたせいで、家に帰ってない日向にお母さんは少し心配しているようだった。 対して日向は悪戯っぽく笑うと側にあった椅子に座り、 「麻緒さんの一大事やねんから、家なんか帰ってる場合ちゃうやん?」 さぞや当たり前だといった感じで目を丸くさせる。