「日向と陽菜はいつも一緒に居たから…どうしても日向を見ると陽菜を思い出してしまうんや。」
「……」
「いつも隣におった筈の陽菜が、アンタの傍におらんのがまだ信じられへんくて―――」
「麻緒さん…」
「毎日のように陽菜の帰りを待ってる自分がおるねん。…そのうち何が悲しかったのか分からんくなって、夜寝られへんくて――…こんな私、おかしいんやろか?」
そう顔を日向の方に上げたお母さんの目からは、大粒の涙が零れていた。
いつの間に溜まっていたのか分からない“それ”は、確実にお母さんを苦しめていたらしい。
…そしてあたしは、初めて自分の仕出かした罪の大きさに気付いた。

