ビクッと肩を震わせたあたしに、寝ぼけ眼だった日向は目を見開く。 いきなり響いた声に軽く耳鳴りを起こしたあたしは、日向がどうしてそんなにも慌ててるのか、さっぱり理解できなくて。 “何なんだ” …そう思う頃にはもう、日向が真横を通り過ぎてった後だった。 「あれ…日向、あんた何でおるん?」 だけど次の瞬間。 「ここ、病院?」 その安心する柔らかい声に、あたしは目を見開いて振り返った。