『日向おはよ!』ってあたしが駆け寄ると彼は目を擦ってて、寝惚けた感じのその姿がやけに可愛く見えた。 日向ほど寝起きが可愛い男子はいないと思う。 そして、それがあたしのちょっとした自慢でもあったりする。 『日向聞いてやぁ。うちな、また同じ夢見てん』 少しスペースの空いたソファーに腰かける。 一瞬フワッと軽くお尻が沈んで、 『それもな、あたしが死んだ時の――…』 「…麻緒さん!」 話を続けるあたしの声を遮ったのは、他でもない日向だった。