後ろを振り返るともう見飽きた家の並びがあって、思わず首を傾げる。


ここに来る理由は確かにあるけど、でも自分がどうして今ここにいるのか分からない。


いきなり始まった記憶に、その前の記憶が無いことに、確かに不思議にはなったけど…


『まぁ、ええか』


元々おおらかな性格のせいか、余り気にとめる事は無かった。


今、日向おらんやろなぁ…


取りあえず家に帰るため、見飽きた日向の家に踵を返すと、夕日の中を歩き出す。