次の瞬間。 激しくブレーキを踏む音が耳に届き、またあの光景が繰り返される。 「陽菜…あぶないっ!!」 「え―――…?」 …この時の日向の気持ちは、きっと永遠に分からないんだろう。 迫り来る軽トラックと、叫ぶ日向の必死な声を、あたしがこの先忘れられないように。 きっとあたしは、目の前で突然大事な人を失った日向の恐怖を…知る事は出来ない。