それでも日向が腕を掴んで止めたからか、振り返ったあたしの表情は酷いもんで、 「日向のアホ!」 「おい、陽菜待てやっ」 必死に追い掛ける日向の腕を振り払う。 「だから日向は何も悪く無いって、さっきから言ってるやんか!!」 「どこがやねん!お前がそんなんされて、俺が黙ってると思うんか!?」 あたしの、悲鳴に近いつんざくような叫び声は、雨音に消される事なく日向に届く。