“南條麻緒”と書かれた病室に入ると、お母さんが静かに眠っていた。 『お母さん…』 横にあった椅子に座り、ぎゅっと手を握る。 その温もりに、心底安心した。 『何で過労なんか…』 そう呟いてお母さんに視線を向けると、悪かった顔色も少しずつ良くなっているように見える。 だけど今まで倒れた事の無いお母さんが倒れたなんて、少し心配になった。