もう血は通ってないけれど、血の気が引いた様に動かない体を懸命に動かした。 『はぁ…っ…』 さっきまでそこにあった夕日はすっかり沈み、紫色の空が不気味に見える。 走るより飛んだ方が遥かに早いのは、冷静に考えると直ぐに分かる事で… それに気付かないあたしは、相当焦っていた。 『はぁ…っふ…』 泣きそうなのと、苦しいのと、乱れる呼吸に心臓が痛くなる。