幽霊だと、見える事もなければ、日向に触れる事もできないし、喋る事なんて以っての外。 なのに日向にはあたしが見えていて、やっぱり“嘘なんやろ?”そう思ってしまう。 『何で日向は…あたしが死んだなんて言うんよ?』 嘘でも良いから「本当は少し騙しただけや」って、言って欲しかった。 いつもみたいに、白い歯を見せて冗談なんだと…そう、言って欲しかった。 でも、日向の顔は変わる事なく浮かないままで、あたしの顔からも笑顔が消える。