ドクドクと嫌なくらいに鼓動が速まる。 体が震えて、思うように動いてくれない。 『…っ…お母さん!!』 やっと声が出せるようになって叫ぶと、俯せになって倒れているお母さんの体を必死で揺すった。 『お母さんっ!』 強く呼び掛けても少しも動かない体に、背中から何かが抜けてくようで、息が苦しい。 閉じたまま一行に開くことの無い瞼に、あたしは怖くなった。