『あいつ等モテんなぁ〜』 海岸近くの一際賑やかなパラソルを見つめ、疾風が悔しそうな表情で言った。 真夏のギラギラした太陽はもうすっかり真上で、容赦なく照り付ける。 『…疾風も行って来ればええやん』 ふて腐れたあたしは、わざとその問題のパラソルを見ないようにそっぽを向いた。 目に入る光景は、まるで一本の線を書いたような地平線のみ。