「あ、お姉さんら。お腹空いてんねんやったらここで食っていきぃ。安くすんで〜?」 でっかい声で客を呼び込むイケメンの兄ちゃんが、やけに目に付く。 『あ、陽菜おった〜』 思わず見惚れていると、あの喧しい声が風に乗ってあたしの耳に届いた。 振り返れば案の定、そこには疾風の姿。 『迎えに来たったで、感謝しぃや』 そう仁王立ちで威張るあたしは、抱き着いて来た疾風の額にデコピンをお見舞いした。