『日向暑いわ、はよ離して』 別にそこまで暑かった訳じゃないけど、日向の胸を軽く押しながら言う。 だけど日向の胸に触れた瞬間、あたしはビクッと手を引っ込めた。 「ほんまに…陽菜やんな?」 『う、ん…』 …日向は小刻みに震えていた。 声も微かに震えていて、表情もどこか苦しそうで、 『日向、どっか苦しいん?』 あたしは日向の背中に腕をそっと回すと、静かに摩った。