そう考えながらあたしは、家族の事を思い出した。


やっぱり皆に、自分の存在が分かって貰えないのは辛い。…だから。


『疾風。これからはうち等のおる場所が、あんたの居場所やからな?』


あたしがニッと歯を見せて笑うと、疾風は一瞬だけ目を丸くして…


『っ…陽菜!お前やっぱ最高の女やわっ!』


『きゃっ…』


それまで言い合いしていた日向に背を向けると、カバッとあたしに抱き着いた。


だけど直ぐにあたしから疾風を無言で引きはがしたのは、明らかに怒っている日向で…


その様子を傍観していた壱夜はあの綺麗な顔をクシャッと崩すと笑った。