いきなり身体を起こしてあたしを抱きしめた日向に、思考回路が途切れそうになった。 日向の腕が背中に回って、あたしをグイッと引き寄せる。 だから思わず『何しとんねん』と、ツッコミを入れたくなった。 でも日向があまりにも強く抱きしめるもんだから、そんな事言えなくて…――― あたし達は小さい頃からこのくらいのスキンシップが普通だったし、特別驚く事も無かった。 だけどこんなにもしっかりと抱きしめられたのは、あたしの記憶でも数少なくて…少し照れそうだ。