『ほら!友達、友達』 そう言いながら日向と疾風の手を取ってがっちり握らせると、途端に二人はギョッとして手を引っ込めた。 そんな少し滑稽な姿が可笑しくて、嫌そうな表情を浮かべる二人の間で、あたしだけがバカみたいにケラケラ笑う。 「な、何で俺がこんな奴と友達ならなあかんねん!」 『俺の台詞や!』 ぎゃーぎゃーと言い合いする二人だけれど、もうさっきの様な嫌な空気は感じられなくて、あたしはそれだけでも嬉しく思った。