『ほなな、陽菜』 『え…?』 切なそうに又あの瞳であたしを見て、疾風が横を通り過ぎる。 きゅうっと胸が痛い。 『疾風、待ってぇや』 この場を去ろうとする疾風の消えそうな後ろ姿に、更に胸の痛みが襲って、気がつくと彼の手を引いていた。 あたしの突然の行動に、日向が眉を寄せる。 ……このままやったら嫌や。 この胸苦しい感じのまま、バイバイなんか絶対に嫌やわ。