『あれ…今、透けて…』 まさかと思い、目を擦る。 今確かに放った筈の日向の拳を、彼の体は掠るどころか触れもしなかった。 まるで透かしたかのようなその光景に、ぱちくりと瞬きを繰り返す 見間違いじゃないかと目を凝らすと、彼は余裕の表情で笑った。 「上等や。もう一発…」 「止めとけ日向。そいつ幽霊だ」 「は……?」