問題児の日向がキレた暁には、きっと辺り一面、血の海だ。 『あんた…逃げた方がええんちゃう?』 そっと彼に耳打ちし、視線を元に戻す…が、時既に遅し。 日向の拳が空気を切り、彼に向かって飛んで来ていた。 「……は?」 ――だけど、拳が彼の頬に触れるその瞬間、あたしの目は点になり、日向の困惑した声が部屋に広がった。