どうやら、まだこれが夢だと思っている日向は首を傾げながらあたしを見ていて、 「痛だだだっ!」 『夢ちゃうで?』 親切なあたしは頬をつねって、これが現実なんだと教えてあげた。 すっかり赤くなった頬を押さえ、呆然とする日向は何だか可笑しくて笑いが洩れた。 だけど、そんなあたしとは裏腹に、日向には余裕が無かったらしく、 「はぁあぁああー―!?」 『ちょ…いきなり何やねん!』 あたしの耳元で前触れも無く叫びだした日向に、思わず耳を塞いだ。