途端に嗅ぎ慣れた日向の香水が届き、あたしの鼻をくすぐる。 「お前、何やねん」 日向が少し睨むと、やっと彼は笑いを止めた。 全く状況が読めないせいで、どうしたら良いのか分からない。 日向と彼の間で巻き起こる小さな火花は、少しだけあたしを不安にさせる。 彼の事を知らないのだから、そうなるのは当たり前だ。 『陽菜、こっちこい』 『は…?』