そんな事を繰り返している間にも





手の傷は回復をみせていった








傷跡はクッキリと残っているものの





しっかりと縫い合わされた傷口には皮膚が再生され





一見何の支障もなく見える





だけど・・・





曲がらない小指に現実をつきつけられる





学校にも行かず弾けもしないピアノの前で





ただ時間を過ごす私に母親を冷たかった





ピアノを弾けない娘は母からすれば





きっとどうでもいい存在





私が落ち込むその気持ちより





ピアノが弾けなくなってしまった事実の方が





母には苦しかったようだ





でも・・・





母はまだ諦めてはいなかった