―百合色―

口づけをした瞬間、
心地好い風が、少しだけ強く吹いた。


俺は、今まで動いていなかった時間を埋めるように、百合に何度も口づけをした。


ねぇ?知ってる?


必ず、人は誰かの色に染まる。


あなたは誰の色に染まっていますか?


俺の色は、君の色に染まっている。


君の色は誰の色?


俺の色は君の色。



俺の色は、百合の色。



そう、俺の中は、


百合色──………



『百合…結婚してください…』


『はい…』



この場所で愛を確かめた。


この場所で愛を誓った。


百合、ごめんね?

色々迷惑かけたね。


色々傷つけたね。


でも俺の中の色は、
これからもずっと色褪せることなく染まり続ける。


百合色に───………




───………



『一生愛する事を誓いますか?』




『はい…誓います…』





《完》