―百合色―

何も変わっていない。

百合の髪から香る、
シャンプーの匂いも、

栗色の髪も、

あの笑顔も…何も変わっていない。


俺の目から、一筋の涙が流れた。


『光輝…私ずっと光輝を想ってたよ…離れても、ずっと光輝を好きだった。
もちろん今も…約束の日…逢えないかと思ってた…
光輝…大好きだよ…』


百合は泣きながら俺に気持ちを伝えた。


周りは静かで、
聞こえるのは、まるで喜んでいるようになびく、桜の木の音と、俺の心臓の音。


百合…俺の気持ち聞いてくれる?


この二年間、ずっと君を想い続けて、気付いた事があるんだ。



俺は涙を手で拭い、
口を開けた。


『百合…』


もう君の名前を空に向かって呼ぶことはないね。


これからは君に向かって呼ぶよ─…