―百合色―

俺の中で動いているモノ、全てが止まった気がした。

タクミ、お前今何て言った?

百合をまだ好きかって?


そんなの言わなくても分かるだろ?



『何言ってんの?』


俺はドアノブに手をかける。


右に回し、タクミの家から出て行こうとした。


タクミは、強い眼差しで俺を見る。


『まだ好きか?』


『…当たり前だろ?百合しか見てねぇよ…』


俺はタクミに向かって笑顔を作った。


これは偽物の笑顔ではない。

本物の笑顔だ。


『そっか、良かった、まだ変わってなくて。
今日はありがとな、じゃあな』


『いいって…じゃあな』


俺はこの暑い中、
自分の家へと帰っていった。


夏は夜空が綺麗だ。

俺は夜空を見上げ、
思い出していた。


流れ星は誰かの願いが叶うころに流れるという事を。


俺の願い…


叶えてよ。


この中のひとつの星…


流れてよ。



ねぇ?