―百合色―

タクミの家に着くと、
早速タクミの髪に色を入れていく。


もうこの作業には慣れた。

手慣れた手付きで、
作業を終わらせた─…


……──数時間後、


鏡を見るタクミ。


『どう?』


『うん!いい!さんきゅ』

タクミが鏡越しで俺を見た。


『いいよ、片付けようぜ』

俺達は、散らかした部屋を綺麗に片付けいく。

この独特な臭いは、まだ慣れない。


俺は汚れた手を洗い、
タクミの家を出て行こうとした。


するとタクミが、
変な事を聞いてきた。



なぁ、何であんな事聞いたんだよ?


タクミは俺を信じていない?



信じてなくてもいいよ。

信じているのは自分の心だけだ。


でもタクミ…

俺の時間は止まっている。


『光輝は、まだ百合の事が好きなのか?』