―百合色―

『何色がいいわけ?』

俺は薬局の毛染め液を見ながら、タクミに聞いた。


『何がいいかな…萌が気に入る色がいい…』


少し照れながらタクミは言った。


『はっなんだそれ、
お前らまだ付き合ってねぇじゃん…』


俺は一つ一つ色を確かめながら、見ていく。


『うっせぇよ、つか今の光輝の髪色何?』


『俺~?』


俺は前髪を触りながら、
何色か見る。


『あ~確かオレンジブラウンだ。んで金のメッシュ入れた。でも金が落ちてきてさ。よく分からんわ』



『その色かっこいいよな、俺は似合わないけど』



『さっさんきゅ…』


誉められると嬉しい。


俺って単純?

バカ?


バカでいーよ。


隣ではタクミがすごく悩んでいる。


『好きなやつにすれば?』


俺はこう言い、タクミが気に入った色の液を買い、
薬局を後にした。