―百合色―

『光輝君が思ってる幸せってどうなものなの?』


突然先輩がこんな事を聞いてきた。


正直、なんて答えればいいのか分からなかった。


俺の幸せ?


それは昔と何も変わっていない。


俺の幸せは─…


『百合の…笑顔…』


俺は囁くような声で言った。

先輩はそれを聞き逃していなかった。


『百合ちゃんの笑顔が光輝君の幸せだったら、何故離してしまったの?
じゃあ逆に百合ちゃんにとっての幸せは、何か分かる?』


『え?』



先輩の言っている事は間違っていない。


むしろ合っている。

何故離した?

それは俺に自信がないからだ。


百合の幸せは?


『百合ちゃん言ってたよ、光輝君の傍にいれるだけで幸せだって…』


この言葉を聞いた瞬間、
俺達を照らしていた太陽が顔を隠し、周りが暗くなった。



俺は、百合の幸せさえ気付かず、離した─…


罪多き人間。