―百合色―

あと少しで生物室だ。

俺達は二年生の教室の前を通っていく。


すると目の前から、
あの人が歩いてきた。


その人は俺の存在に気付く。


…どうしよ…


俺は何も言わないまま、
その場所から抜け出そうとした。


でも、すれちがった時に、呼ばれてしまった。


『光輝…君?』


『…稲葉…先輩…』


先輩が俺の方へと来る。


『光輝ー何してんだよ?』


数メートル先にいる亮が俺を呼ぶ。


『亮!俺…生物サボるわ』

『はぁ?』

亮が振り返り、俺と先輩を見た。

それだけで亮は状況が分かったらしい。


『そういう事ね、おっけ~』


そう言って、この先にある生物室へと向かって行った。


『話がしたいんだけど…』


『いいっすよ、俺も話がしたかったんで』


俺と先輩は中庭へと行った。


こんなくそ寒い中、
俺はポケットに手を入れながら、先輩についていった。