―百合色―

教室に生徒達が集まってくる。


俺は、今だに思考停止していた。


『…それでさ…百合からお前宛てに手紙渡されてさ…』


タクミは、便箋を俺に渡してきた。


俺はその中身のものを出した。


そこに入っていたものは、一枚の写真だった。


あの、秘密の場所が写った写真だった。


ベンチが一つ、
桜の木が一本。


きっと優さんが撮った写真だろう。


俺は無意識に、写真を裏返した。


そこには、百合の字でこう書かれていた。


《二年後…この場所で…》



ただこの一言だけ。



『百合…』


『光輝…俺…』


『約束…だもんな…』


『約束?』


俺はその写真を見て微笑んだ。


『俺…頑張らなくちゃな…百合がいなくても…
百合を見れなくても…
約束のために…俺頑張らなくちゃな…』



頑張らなくちゃ…

二年後の桜が咲き始める頃に、また百合と再会出来るように─…


百合をずっと想っていれるように─…


頑張らなくちゃ…