―百合色―

俺は紙ナフキンで涙を拭き、ココアを最後まで飲み干した。


最初は甘かったココアが、最後の方は苦かった。


『優さんは…なんであんな所にいたんですか?』


俺はなぜあの場所で優さんと出会ったのか不思議に思っていた。


『あぁ、ちょっと散歩していたんだ。最後に、秘密の場所とかをカメラで撮っておきたくてね』


『そう…なんですか…』


俺は、なぜ分からなかったのだろうか?


優さんの言葉に、なぜ引っかからなかったのだろうか?


優さんは、最後と言ったのに…


『ごめんね、光輝君風邪で大変なのに』


『いえ…大丈夫です』


『行こうか?』


俺と優さんは、コーヒーショップから出て行った。


『雪…』


『もうそんな季節か…』


パラパラと降る雪が、
地上へと落ち、すぐに消えてしまう。


俺はこの雪を、
ただ見ていることしか出来なかった。


百合の笑顔を思い出しながら──………